「給料を上げたい」と思ったら最初にやること|高卒1年目で味わった給与格差と、27年間で学んだこと

キャリアのリアル(高卒・係長の壁)

入社1年目、最初の給与明細で気づいたこと

社会人になって最初の給与明細を見たとき、正直ショックだった。

同期の大卒入社の同僚と、数万円の差がすでにあったのだ。同じ職場で、同じ時間働いて、なぜこんなに違うのか。「高卒だから」というたったそれだけの理由で、スタートラインが違う。そのことを、給与明細という紙切れ一枚でまざまざと突きつけられた。

その日から、友人と会うたびに愚痴をこぼすようになった。同僚には言えなかった。家族にも言えなかった。「高卒で就職したい」と自分で決めて、親に了承してもらった経緯があったから、家族には格好がつかなかった。だから、唯一気を許せる友人だけが、私の愚痴の受け皿になっていた。

「おかしい」「不公平だ」「会社の制度が悪い」。そんな言葉を何度も繰り返した。

でも、ある日ふと気づいてしまった。高卒で働くことを決めたのは、自分だった。

誰かに強制されたわけでも、仕方なくそうなったわけでもない。自分で選んだ道だ。だとすれば、会社や制度に文句を言い続けるのは、結局「自分への愚痴」でしかない。そう気づいた瞬間、急に恥ずかしくなった。友人に対しても、自分自身に対しても。

27年たった今、あの気づきが自分の転換点だったと思っている。「不満を持つことと、行動することは別だ」。そんな当たり前のことを、愚痴を言い続けた数年間でようやく学んだ。


愚痴をやめて、最初にやったこと

「自分が変わるしかない」と腹をくくってから、まず取り組んだのは**自分の仕事の「見える化」**だった。

当時、私は月次の集計業務を担当していたが、やり方が古くて非効率で、毎月かなりの時間を費やしていた。誰も改善しようとしなかったし、私もそれが当たり前だと思っていた。でも、「成果を出す」という意識を持ってから、この業務が目に入った。

Excelの使い方を自分で調べ直し、作業フローを一から見直した。最初はうまくいかないこともあったが、試行錯誤しながら少しずつ改善していった。結果として月間で12時間ほどの工数を削減できた。たった12時間かもしれないが、自分の手で「数字として出せる成果」を作れたのは初めての経験だった。

評価面談のとき、それまでの私は「頑張っています」としか言えなかった。でも、このときは違った。「この業務をこう改善しました、月12時間の削減につながりました」と、具体的に話せた。上司の反応は、それまでとは少し違った。「見てもらえる動き方」ができたのは、このときが初めてだった。


給料を上げたいなら、まず「評価される言語」を学ぶ

会社員として給料を上げるには、上司や会社に「この人を評価したい」と思わせる必要がある。当たり前のように聞こえるが、これが意外と難しい。

感情で話してもダメだ。「私は頑張っている」「もっと給料をもらって当然だ」という主張は、会社側には届かない。必要なのは、会社側の論理で話すことだと気づいたのは、30代に入った頃だった。

具体的にはこういうことだ。

  • 「頑張った」ではなく「〇〇の結果、△△が改善した」と話す
  • 感情的な不満ではなく、数字や事実で根拠を示す
  • 評価面談を「報告の場」ではなく「自分をプレゼンする場」と捉え直す
  • 上司が「部下の評価を上に説明するとき」に使いやすい言葉を選ぶ

上司も人間だ。部下の評価を上に説明しなければならない立場がある。だから、上司が「説明しやすい実績」を自分から作って渡してあげる感覚が大事だと、長年働いてきてわかってきた。

昇給交渉で劇的な成果を得た、というドラマチックな話は私にはない。ただ、「正しく伝える努力」を地道に積み重ねた結果、少しずつ評価は変わっていった。


給料が上がらないときに、やってはいけないこと

経験上、やってしまいがちだけど逆効果なことがある。

同僚と給料の話をすること。 これは職場の空気を悪くするだけで、自分の評価には何も貢献しない。「あの人より私のほうが仕事しているのに」という比較は、上司には関係のない話だ。

不満を態度に出すこと。 給料への不満が顔や言動に出ると、上司からの印象が悪くなる。評価を上げたいなら、まず「一緒に仕事したい人」と思われることが大前提だ。

転職をちらつかせること。 交渉カードのつもりでも、信頼を失うリスクが高い。本当に転職する覚悟がないなら、安易に使わないほうがいい。

27年間、周りを見ていてこれらをやってしまった人が、結果的に損をしているケースを何度も見てきた。


会社だけに頼らない、という選択肢

27年勤めてきて、もうひとつ痛感していることがある。会社の給料だけに収入を依存するのは、リスクだということだ。

どれだけ頑張っても、給料の上限は会社の規定で決まっている。高卒というスタートラインのハンデは、制度上ずっとついてまわることもある。そういう現実を認めたとき、「会社の外にも目を向けよう」と思うようになった。

このブログを始めたのも、そういう気持ちからだった。大きく稼ぎたいというよりも、「会社だけに振り回されない自分」になりたかった。少しでも別の収入の柱を作ることで、会社への依存度を下げたかった。

あの高卒1年目の給与明細が、今の自分を作ったと言っても過言ではない。不満を感じたこと自体は、悪いことではなかった。問題は、その不満をどこに向けるかだった。


まとめ:給料を上げたいなら、まず「自分の仕事を言葉にする」

給料を上げたいと思ったとき、最初にやるべきことをひと言でまとめるなら:

「自分の仕事を、会社の言語で説明できるようにすること」

愚痴を言っていた時期の私に、一番欠けていたのはこれだった。不満を持つのは自然なことだ。でも、その不満を「行動」に変えないかぎり、何も変わらない。

高卒で働くことを決めたのは自分だった。だから、変えられるのも自分しかいない。そう気づいたあの日から、私の27年間は少しずつ変わり始めた。

スタートラインは変えられなくても、そこからの歩み方は自分で決められる。


このブログでは、高卒・係長として27年間働いてきたリアルな経験をもとに、キャリアや仕事について書いています。

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