「仕事のミスが多い」と悩む人へ|株主総会をすっぽかしかけた私が、27年間で学んだミスとの向き合い方

逆襲の武器(学び・ツール)

外出中に鳴った、部下からの電話

今でも思い出すだけで背筋が凍る出来事がある。

係長になって数年が経ったある日、外出先で部下から電話がかかってきた。「あの…今日、株主総会ではないですか?」

一瞬、何を言われているのか理解できなかった。次の瞬間、全身から血の気が引いた。

株主総会のスケジュールを、完全に飛ばしていた。

スケジュール帳には登録してあった。でも確認していなかった。外出の予定が重なり、頭の中からすっぽり抜け落ちていたのだ。株主総会といえば、会社にとって最も重要な行事のひとつだ。それを係長が、すっぽかしかける。

幸いだったのは、そのとき外出していた場所がたまたま会場の近くだったことだ。部下の電話がなければ、気づくことすらできなかった。全力で向かい、ギリギリ間に合った。

間に合ったから笑い話になったが、もし間に合っていなければ——と考えると、今でも肝が冷える。あれ以来、私のミスに対する考え方は根本から変わった。


「登録しておけば大丈夫」という油断

あの失敗で気づいたのは、**「スケジュールを登録しておくだけでは意味がない」**ということだ。

登録することで、人間は安心してしまう。「やっておいた」という感覚が、むしろ意識から遠ざけてしまう。特に重要な予定ほど、登録した瞬間に「もう大丈夫」と思い込んでしまいがちだ。

あの株主総会も、スケジュール帳にはきちんと書いてあった。でも当日、私はそのページを開かなかった。外出の準備をしながら、頭の中は別の仕事のことでいっぱいだった。

それ以来、重要な予定はスマホのスケジュール通知機能を必ず使うようにした。登録するだけでなく、時間になったら強制的に気づかされる仕組みを作る。人間の記憶や注意力を過信しない。それが、あの経験から学んだ最大の教訓だ。

「ミスをしない人」と「ミスをする人」の差は、能力ではなく仕組みを作っているかどうかだと、27年間で確信するようになった。


ミスが起きやすい「3つの状況」

長年働いてきて、ミスが起きやすい場面にはパターンがあることに気づいた。

「いつもと違う日」に起きやすい。 外出が重なった日、急な対応が入った日、会議が続いた日。普段と違うリズムのとき、人間の注意力は著しく下がる。あの株主総会の日も、外出が重なっていた。

「慣れた作業」ほど危ない。 毎月やっている業務、何度もやったことがある手続き。慣れているからこそ「確認しなくてもわかる」という油断が生まれる。ベテランのミスは、たいていこのパターンだ。

「引き継ぎの瞬間」に抜けが出やすい。 誰かから誰かへ仕事が渡るとき、「あちらがやってくれると思っていた」という認識のズレが生まれやすい。責任の所在が曖昧になる瞬間に、ミスは忍び込む。


ミスを減らすために、私が実際にやっていること

能力で解決しようとするのではなく、仕組みで防ぐという発想に変えてから、ミスは明らかに減った。

重要な予定はスマホの通知を必ず設定する。 前日と当日の朝、2回通知が来るように設定している。登録して終わりではなく、気づく仕組みを作ることが大事だ。

「確認した」を口頭で終わらせない。 重要な書類や数字は、必ず別の方法でダブルチェックする。自分で確認した後、可能であれば別の人にも見てもらう。一人の目には限界がある。

ミスをしたら「なぜ起きたか」を必ず考える。 「次は気をつけます」で終わらせると、同じミスを繰り返す。どの状況で、なぜ見落としたのかを具体的に分析して、仕組みを変える。

忙しいときほど、立ち止まる。 急いでいるときに人はミスをしやすい。「今日は忙しいな」と感じたら、意識的に一度立ち止まってスケジュールを確認するようにしている。


ミスをしたときの「報告の仕方」も大事

27年間で、ミスをした自分も見てきたし、部下がミスをした場面も何度も経験してきた。その中でわかったことがある。ミスそのものより、その後の対応で評価が変わるということだ。

ミスが発覚したとき、やってはいけないのは隠すことと、言い訳を先に言うことだ。

上司への報告は、「事実→影響→対応策」の順で話す。「〇〇というミスがありました。△△への影響が考えられます。現時点で□□という対応をしています」。感情的にならず、淡々と事実を伝え、自分がすでに動いていることを示す。

あの株主総会のとき、会場に向かいながら上司に電話を入れた。言い訳より先に「向かっています、間に合います」と伝えた。それだけで、上司の反応は違ったと思う。


まとめ:ミスをゼロにするのではなく、「仕組み」で減らす

27年間働いてきて、ミスをしたことがない人間など存在しないと断言できる。問題は、ミスをするかどうかではなく、同じミスを繰り返さないために何をするかだ。

株主総会をすっぽかしかけたあの日、部下の電話と、たまたま近かった会場に救われた。運がよかっただけだ。でもその経験があったから、「登録するだけでは足りない」「仕組みを作らなければ再び起きる」と本気で思えた。

ミスをした経験は、恥ずかしいものではなく財産だ。大事なのは、そこから何を変えるかだと思っている。


このブログでは、高卒・係長として27年間働いてきたリアルな経験をもとに、仕事やキャリアについて正直に書いています。失敗談も含めて。

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