残業が減ったのは、自分が変わったからではなかった|入社6年目の地獄と、27年間で学んだ時間管理の現実

逆襲の武器(学び・ツール)

入社6年目、残業で消耗していた頃のこと

今でも覚えている。入社6年目頃、毎日2〜3時間の残業が当たり前だった時期のことを。

朝出勤して、気づけば夜。疲れ切って帰宅して、寝て、また出勤する。その繰り返し。「社会人とはこういうものだ」と言い聞かせていたが、正直つらかった。体だけでなく、気持ちも少しずつすり減っていくような感覚があった。

ちょうどその頃、結婚をした。

家に帰ると妻がいる。それだけで、どれだけ救われたかわからない。残業で疲弊していた時期を乗り越えられたのは、家族の存在があったからだと、今でも思っている。仕事の話を聞いてもらうわけでも、何かアドバイスをもらうわけでもない。ただ、帰る場所があるということが、あの頃の自分には大きかった。

今は単身赴任で離れて暮らしている。佐世保の港で一人海を眺めながら、あの頃のことを思い出すことがある。


残業が減ったのは、実は会社が変わったからだった

正直に書く。残業が減ったのは、自分が劇的に効率化したからではなかった。

時代が変わった。働き方改革の流れの中で、会社全体が変わっていった。無駄な残業は逆にできなくなった。上から「残業を減らせ」という方針が出て、職場の空気が変わった。

それが大きかった、というのが正直なところだ。

もちろん、個人の工夫も多少は影響したと思う。でも「自分が時間管理を磨いたから残業が減った」と言うのは、少し格好よく言いすぎだ。環境が変わったことで、自然と働き方が変わった側面が大きい。

27年間を振り返って、これは重要な気づきだと思っている。残業を減らすためには、個人の努力だけでなく、環境や仕組みが変わることが不可欠だ。


それでも、個人でできることはある

環境が変わったことで残業は減った。でもその中で、自分なりに工夫してきたことも確かにある。

仕事の「見える化」をした。 月次の集計業務を見直し、Excelの使い方を改善したことで月間12時間ほどの工数を削減できた経験がある。「当たり前にやっていた作業」を一度疑って見直すことで、無駄な時間が浮き上がってくることがある。

「今日やること」を絞るようにした。 全部やろうとすると、結局何も終わらないまま夕方を迎える。その日に絶対終わらせることを3つだけ決めて、そこに集中する。それだけで、仕事の終わりが見えやすくなった。

「やらないこと」を決めた。 係長になってチームの業務を見直したとき、誰も必要性を確認していない月次レポートが複数あった。廃止してみたところ、誰からも困ったという声は来なかった。惰性で続けている仕事は、思い切ってやめてみると案外何も起きないことがある。

退社時間を意識するようにした。 「残業してもいい」という状態と「今日は定時で帰る」と決めた状態では、同じ仕事でも集中力が全然違う。制約があると、人は自然と効率を上げようとする。


残業を断れなかった時期の話

残業が多かった頃、頼まれると断れない性格も影響していた。

「これお願いできる?」と言われると、自分の状況に関係なく「わかりました」と引き受けてしまう。断ることへの罪悪感が強かった。その結果、自分のキャパを超えた仕事を抱えて、さらに残業が増えるという悪循環だった。

今になって思うのは、断ることは相手への拒絶ではなく、自分の状況を正直に伝えることだということだ。

「今日はA・B・Cの仕事があるのですが、この依頼の優先順位はどのくらいですか?」と聞くだけで、相手も状況を理解してくれることが多い。「断る」のではなく「優先順位を確認する」という形にすると、お互いに気持ちが楽になる。

これができるようになったのも、正直なところ時間がかかった。20代の頃の自分には、なかなかできなかった。


残業を美徳にしていた時代のこと

入社した頃、残業は「頑張っている証拠」だという空気があった。遅くまで残っている人ほど、仕事熱心だと見られる風潮があった。

今はそれが完全に変わった。長時間残業は管理職の評価にも影響する。部下を残業させすぎると、上司として問題があると見られる時代になった。

どちらが正しいかという話ではない。ただ、時代によって「良い働き方」の定義が変わることを、27年間で肌で感じてきた。

あの消耗していた入社6年目の自分に、今の働き方を見せてあげたいと思うことがある。あの頃の苦しさがあったから、今の自分があるとも言えるが、もう少し早く環境が変わっていたら——とも思う。


まとめ:残業を減らすには「個人の努力」と「環境」の両方が必要

27年間を正直に振り返ると、残業が減ったのは個人の工夫だけでなく、会社・時代の変化が大きかった。

それが現実だ。個人の努力には限界がある。どれだけ効率化しても、職場全体の空気や会社の方針が変わらなければ、残業はなかなか減らない。

だからこそ、個人としてできることはやりながら、「この残業は本当に必要か」を問い続けることが大事だと思っている。

惰性の残業、誰も読まないレポート、意味のない会議——そういった「なんとなく続けている仕事」を一つずつ疑っていくことが、個人レベルでできる最大の貢献だ。

入社6年目に家族に支えられながら乗り越えたあの時期があったから、今の自分がいる。残業で消耗している誰かの力に、この記事がなれれば嬉しい。


このブログでは、高卒・係長として27年間働いてきたリアルな経験をもとに、仕事やキャリアについて正直に書いています。格好いい話ばかりではなく、失敗や葛藤も含めて。

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