何も考えずに、ただ海を眺める
週末になると、佐世保の港に向かう。
五番街あたりの海が見える場所に立って、ただぼーっと海を眺める。特別なことは何もしない。ベンチに座って、波の音を聞きながら、何も考えない。どのくらいそうしているか、時間の感覚もなくなる。
気づくと、頭の中がすっきりしている。
平日に溜め込んだ仕事のストレス、会社への不満、単身赴任で離れている家族への気がかり——そういったものが、海を眺めているあいだに、どこかへ薄れていく。何かを解決したわけでも、答えが出たわけでもない。ただ、少し軽くなっている。
これが私の、27年間で見つけた最高のリセット法だ。
特別な場所でも、お金がかかることでもない。佐世保の港まで行って、海を眺めるだけだ。でも、これ以上に効いたリセット法を、私はまだ見つけていない。
「休んでいるのに疲れる」という感覚
単身赴任を始めた頃、休日の過ごし方がわからなかった。
家族と一緒にいれば、子供の予定や家のことで休日は自然と埋まる。でも一人だと、何をしていいかわからない。とりあえずスマホを見て、ニュースを見て、SNSをスクロールして、気づけば夕方になっている。
「休んだはずなのに、疲れた」という感覚が続いた。
なぜかと考えると、答えは単純だった。スマホを見ているあいだ、頭は全く休んでいない。情報を処理し続けているから、仕事中と脳への負荷はそれほど変わらない。体は横になっていても、頭は働き続けている。それでは疲れが取れないのは当然だ。
さらに単身赴任の場合、部屋にいると余計なことを考えやすい。仕事のこと、家族のこと、会社への不満。一人の静かな空間が、かえって思考のループを生んでしまう。
外に出て、歩くことにした
試行錯誤の末にたどり着いたのが、散策だった。
とにかく外に出て歩く。目的地を決めすぎない。ぶらぶらと歩きながら、街の空気を吸う。佐世保は坂が多く、歩いているだけで自然と体が動く。気づくと1〜2時間歩いていることもある。
歩いているあいだ、頭の中は不思議と静かになる。足を動かすことに意識が向くのか、余計なことを考えにくくなる。仕事の悩みも、家族への気がかりも、歩いている最中は頭の端に追いやられる。
そして最終的にたどり着くのが、佐世保の港だ。
五番街あたりで海が見えてくると、自然と足が止まる。そのままぼーっと立って、あるいは座って、ただ海を眺める。何も考えない。何かをしようとしない。ただそこにいる。
この時間が、一週間分の疲れをリセットしてくれる。
「何もしない」と「何も考えない」は違う
部屋で横になって「何もしない」のと、海を眺めて「何も考えない」のは、全く別のことだと気づいた。
部屋での「何もしない」は、頭は動いている。スマホを手に取りたくなる。仕事のことが浮かんでくる。静かすぎて、逆に思考が活発になる。
でも海の前での「何も考えない」は、本当に頭が止まる。目の前の景色が、思考の代わりに頭を満たしてくれる。波の動き、光の反射、遠くの島のシルエット。見ているものが次々と変わるから、余計なことを考える隙間がなくなる。
自然の景色には、思考を止める力がある。理屈ではなく、体でそれを学んだ。
単身赴任の休日に大切にしていること
海を眺めること以外にも、単身赴任の休日で心がけていることがある。
午前中に外に出る。 朝から部屋にいると、一日中出られなくなることが多い。午前中に一度外に出るだけで、その日の気分が全然違う。
目的を決めすぎない散策をする。 「どこそこに行こう」と決めすぎると、行けなかったときに余計に気分が下がる。「とりあえず港の方へ」くらいの緩さが、散策を続けるコツだ。
日曜の夜に翌週の予定を少し確認する。 月曜日の朝が憂鬱になるのは、「何があるかわからない」という漠然とした不安が大きい。10分だけ翌週のスケジュールを確認しておくと、月曜日の朝の気持ちが少し楽になる。
家族に連絡する。 単身赴任の寂しさは、放っておくとじわじわと疲れに変わる。休日に少し話すだけで、気持ちがずいぶん違う。
リセットできた休日と、できなかった休日の差
27年間で、リセットできた休日とできなかった休日の差がはっきり見えてきた。
リセットできた休日は、必ず「外に出ていた」。散策でも、港に行くだけでもいい。体を動かして、外の空気を吸って、景色を見た日は、月曜日の朝が違う。
できなかった休日は、ほぼ例外なく「部屋でスマホを見て終わった日」だ。体は休んでいるつもりでも、頭は全く休んでいない。そういう休日の翌朝は、起きた瞬間からすでに重い。
完璧な休日を作ろうとしなくていい。ただ、一度外に出て、少し歩いて、景色を眺める。それだけで、月曜日の朝はかなり変わる。
まとめ:最高のリセット法は、案外シンプルだった
27年間、色々な休日の過ごし方を試してきた。結論はシンプルだった。
外に出て、歩いて、何も考えずに景色を眺める。
佐世保の港、五番街あたりの海。特別な場所ではない。でも、あの景色の前に立つと、一週間分の疲れが少し軽くなる。それだけで、私には十分だ。
高いお金をかけなくても、遠くへ行かなくても、最高のリセットはできる。大切なのは「何も考えない時間」を、意識的に作ることだと思っている。
今週末、少しだけ外に出てみてほしい。
このブログでは、高卒・係長として27年間働いてきたリアルな経験をもとに、仕事やキャリアについて正直に書いています。単身赴任中の佐世保から、週末に書いていることも多いです。

