「定年後」を27年前から考えていた|高卒係長が実践してきた「終わりから逆算する」キャリア設計

キャリアのリアル(高卒・係長の壁)

はじめに

「定年後のことなんて、まだ考えなくていい」——20代の頃の私は、そう思っていました。

しかし入社5年目のころ、当時の先輩から「しん、お前は定年後に何をしたいか考えたことあるか?」と聞かれたことがありました。突然の質問に戸惑いながら「まだ先の話じゃないですか」と答えると、先輩はこう言いました。「定年まで40年もある。でも、ゴールを知らないまま走っていたら、どこに向かえばいいかわからないだろう」と。

この言葉が、私の「キャリアの考え方」を変えるきっかけになりました。

27年間、常に「終わりから逆算して今を考える」という視点でキャリアを設計してきました。この記事では、高卒・叩き上げの係長として歩んできた私のキャリア設計の考え方をお伝えします。


なぜ「終わりから逆算する」のか

「終わりから逆算する」という考え方は、スティーブン・R・コヴィー博士の著書「7つの習慣」でも「終わりを思い描くことから始める」として紹介されています。

仕事やキャリアにおいても、この考え方は非常に有効です。ゴールが明確であれば、今何をすべきかが自然と見えてきます。逆にゴールが不明確なまま働き続けると、目の前の仕事をこなすことが目的になってしまい、気づいたときには「何のために働いてきたのか」という虚しさが生まれることがあります。


私が描いてきた「定年後のビジョン」

入社5年目のころから、私が描いてきた「定年後のビジョン」はシンプルなものでした。

「健康で、経済的に困らず、誰かの役に立てる自分でいること」

派手な夢ではありません。しかし、この3つの要素が揃っていれば、定年後も豊かに生きられると考えていました。

①健康

体が資本であることは、27年間の現場生活で痛感してきました。デスクワークが多い事務職は、気をつけないと体への負担が積み重なります。30代から意識してきたウォーキングの習慣・食事への気遣い・定期的な健康診断——これらは「定年後も元気でいるための投資」という意識で続けてきました。

②経済的な安定

高卒という出発点から、年功序列の恩恵は大卒の同期より少ない部分がありました。だからこそ、早い段階から「老後のお金」を意識してきました。

退職金の積み上げ・確実な貯蓄習慣・iDeCoの活用——大きな投資ではなく、地道な積み重ねを27年間続けてきました。

③誰かの役に立てる

定年後も「誰かの役に立てる自分でいること」は、私が最も大切にしてきたビジョンです。

仕事を通じて身につけた事務スキル・マネジメント経験・現場の知恵——これらは定年後も誰かの役に立てる「資産」になると考えてきました。そしてこのブログを始めたことも、その一環です。


「終わりから逆算する」キャリア設計の実践

ビジョンを描いたら、次は「今何をすべきか」を逆算します。

10年単位で考える

定年を65歳と設定した場合、27年目の私には約17年が残っています。この17年を「10年」と「7年」に分けて考えます。

次の10年(40代後半〜50代後半):スキルと信頼の最大化 今持っているスキルをさらに磨き、組織内外での信頼を積み上げる時期です。管理職としての経験を深め、「自分がいなくても回る仕組み」を作ることに注力します。

その後の7年(50代後半〜65歳):継承と次世代育成 積み上げてきた知識・経験・人間関係を次世代に継承する時期です。部下の育成に力を入れ、自分の「後継者」を育てることが主な役割になります。

5年単位の目標を設定する

10年単位のビジョンを、5年単位の具体的な目標に落とし込みます。

私が現在設定している5年後の目標は「このブログを通じて、少なくとも1,000人の働く人に何らかの価値を届けること」です。会社の評価とは別の「自分の実績」を作ることが、この5年の目標です。


「キャリアの複線化」という考え方

27年間同じ会社で働いてきた私が、40代になってから意識するようになったのが「キャリアの複線化」という考え方です。

会社という単線路線だけを走るのではなく、複数の路線を並走させる——つまり「会社以外の場所でも価値を発揮できる自分を作る」ということです。

このブログはその一例です。会社での係長という役割とは別に「27年間の経験を言語化して発信する人」という役割を持つことで、キャリアが複線化されます。

キャリアの複線化は、万が一会社がなくなったときのリスクヘッジにもなりますが、それだけが目的ではありません。複数の場所で価値を発揮することで、仕事全体への充実感が増すことも大きなメリットです。


高卒という出発点が教えてくれたこと

高卒という出発点は、キャリア設計において決してハンデではありませんでした。むしろ「早くから現場に立てた」という強みに変わりました。

大学の4年間を会社で過ごすことで、同世代より4年分多くの現場経験を積めました。この4年間の蓄積が、後のキャリアの基盤になっています。

また高卒という出発点は「学歴に頼れない分、実力で勝負するしかない」という覚悟を早くから持つきっかけになりました。この覚悟が、継続的な自己投資への動機につながっています。

「高卒だから限界がある」ではなく「高卒だからこそ、現場での実力で勝負できる」——この考え方の転換が、27年間のキャリアを支えてきました。


まとめ

「終わりから逆算する」キャリア設計をまとめます。

なぜ終わりから逆算するのか

  • ゴールが明確であれば今何をすべきかが見えてくる
  • 目の前の仕事をこなすだけのキャリアから脱却できる

定年後のビジョンの3要素

  • 健康(30代から意識した体への投資)
  • 経済的な安定(地道な積み重ねを27年間続ける)
  • 誰かの役に立てる(スキルと経験を「資産」として捉える)

終わりから逆算するキャリア設計の実践

  • 10年単位でビジョンを設定する
  • 5年単位の具体的な目標に落とし込む
  • キャリアの複線化を意識する

高卒という出発点が教えてくれたこと

  • 早くから現場に立てたことが強みになった
  • 学歴に頼れない分、実力で勝負する覚悟が生まれた

ゴールを知らないまま走り続けることほど、消耗することはありません。「自分の定年後はどうありたいか」をぜひ一度、真剣に考えてみてください。その問いへの答えが、今日の行動を変えるヒントになるはずです。

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